ボクが高校の野球部にいたころの思い出があります。小さい頃、父親にグローブとボールを買ってもらってから野球が大好きになり、いつかはプロ野球の選手になってやるんだと夢を見ていましたが、大きくなるにつれて現実が見えてくると、その夢はしぼんできました。高校の野球部もそれほど強くありませんでしたが、みんなが野球好きで、一生懸命にボールを追いかけていました。そして、当時の監督がアクシスという言葉を口にしたのでした。
その監督はなぜか英語をよく口にしました。英語の教師ということもあったのか、大学時代に海外に留学していた経験があったからなのか、その理由を聞いたことはありませんでしたが、指示やアドバイスのどこかしらに英語が入っていたのです。ある日のミーティングのことでした。雨でグラウンドが使えず、教室でミーティングとなったのですが、監督は突然「アクシスという意味が分かるか」と聞いてきたのです。アクシス。ボクたちはその意味が分かりませんでした。
アクシスってなんだ。ボクたち部員は顔を見合わせて首をかしげました。野球の用語は英語がたくさんありますが、アクシスという言葉は聞いたことがありませんでした。監督が部員1人1人にたずねていっても、誰一人として答えられません。そこでようやく、監督が教えてくれたのでした。「アクシスは軸という意味なんだ」と話ながら、黒板にアクシスと記したのでした。
「いいか、野球では軸が大切なんだ。バッティングでもピッチングでも動きで大切なのは軸を中心にした動きだ。アクシスが大事なんだ」と声を大きくしました。なるほど、監督の言うことは間違いではありません。打つ、投げるという動作は軸がしっかりしていないといけません。その軸の大切さを強調する意味で、監督はアクシスという言葉を強調してきたのです。「いいか、アクシスだぞ」ともう1回強調して、ミーティングは終わりました。
それがアクシスという言葉を知ったきっかけになったのです。その夜、家に帰って英和辞典を開いてみると、アクシスには軸、中心線といった意味がありました。それからというもの、練習のときには軸を意識するようになりました。だから、アクシスという言葉は今でも忘れられません。
アクシスの参考情報 → 株式会社アクシス